きものの点検と対処(1)

ご無沙汰してます。

HPにもご案内しましたが、ここ数年
お母様の振袖をお嬢様にと言う方が増えております。

そこで今回はやや時間のたったきものの
お手入れについて、書きたいと思います。
久々にたとう紙から出して、点検してみましょう。

まず、広げてみてシミはありませんか?
特に、「袖口」「衿」「上前」はポイントです。
しまう時は何ともなくても、時間がたって汚れが
浮いてくることがあります。
また何年も経つとただのシミが黄変と言って、
黄色く変色している事もああります。

衿と袖口(裏側)は一度着たら必ず汚れてます
(写真の八掛は元から黄色、黄変した訳ではありません)

こんな時は 「シミ抜き」をしなければなりません。
黄変してしまっている場合は「黄変抜き」です。

「黄変抜き」は一度「脱色」して「色掛け」する技術
なので、染色、補正のうまい職人さんにお願いしてます。
クリーニング店では断られることが多いようです。

黄変した胴裏。表地がこれくらいになることは希です。
裏地の場合は取り替えたほうが安上がり。

シミがなく、何となく「全体的に薄汚れた感じ」がするときは
丸洗いをすると綺麗になります。
ただし、シミや、黄変は丸洗いでは落ちません
丸洗いは普通のクリーニングと同じです。
石油系の溶剤を使って、きものを「ほどかず」そのまま洗います。

丸洗いも、うまい、下手が歴然とあります。
汚れが取れてなかったり、汚れは取れても、
プレス(アイロン掛け)が下手だと ←これが意外に多い
生地が伸びたり、※「キセ」が伸びきってしまいます。
仕上がりが「ペター」とした感じになってしまいます。
※「キセ」とは縫い目を隠すため生地を折り曲げること

当店では長年、信頼の置ける業者にお願いしているので ご安心を。

以降後日

by

呉福屋HPへ

きもの姿365日

前の記事

明石縮