20代の時のきものを50代で着る

 

呉服店の重要な仕事の一つに

仕立て替えや染め替えの仕事があります。

最近は呉服店も少なくなってしまい、

ネットで当店を探してご来店下さるお客様もいらっしゃいます。

 

最近は50代の方でも明るい色のきものをお召しになるので

若い頃着たきものでも八掛を替えたり寸法直しをすれば

違和感なく着られる事があります。

 

20年前の50代が選んだきものと現在では

好まれる色が全く変わってしまいました。


同年代のお客様を見ていても

当時良く売れた、紫系や茶系のきものは

渋すぎるのか、お選びになりません。

もっと顔映りの映える、明るい色を選ばれます。

確かにそちらの方が若々しくて素敵です。

 

長く着られるよう、20年先を見て誂えるというより

今、似合うものをお求めになる方が増えたと思います。

20年も先のことは考えられない、

とりあえず今のうちに着る!!ということなのでしょう。


こちらは先日お仕立て替えでお預かりした素敵な総絞りの小紋です。

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表地はそんなに派手じゃないのに、目に刺さるような色の八掛が。

当時の若向きの定番、明るい朱色。

この頃のきものには高確率でこの色が付いてます。


実際に着て頂くと、表の色より八掛の色に目がいってしまうので

洗い張りしてリフレッシし、おとなしめの八掛に替えることにしました。

 

お客様のお若い時分のきものを見せて頂くのは

10代、20代のお客様の顔が何となく浮かんだり

ご両親のお嬢様への愛情がきものからうかがえたりして

幸せな気持ちにさせてくれ、私の好きな仕事の一つです。

「た」

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