尺差しを救った永六輔
仕立て上がりの着物や浴衣のサイズはSMLで表示されることが多いですが、サイズをよく見るととても中途半端な数字になっています。
身丈は身長と同じなので 160cmとか165cmですが、袖丈はなぜか49cm。裄は68cmとか、前幅24.5cm、後幅30.5cmみたな半端な数字が並びます。
これはもともと着物が鯨尺寸法で作られていたためで、それをcmに置き換えたために随分と半端になってしまします。
実は1959年からは尺貫法の使用が禁止され、商品の寸法表示にはメートル法の使用が義務付けられ、それは現在も続いています。確かに尺で言われても今の方にはちんぷんかんぷんですね。
ただ、和裁士や我々呉服業界は今でも尺が基本で、センチで言われても全然ピンときません。わざわざ電卓を叩いて尺に換算したり、尺のメジャーで確認したりします。
業界の先輩によると一時期は鯨尺の物差しも禁止となり、困った尺を使う職人たちが、今は亡き永六輔氏に懇願し体を張った抗議運動により、メートル法でも表記するという条件で1977年に復活したと聞いています。
氏のお陰で鯨尺の物差しの販売が合法となり和裁士も我々業界も面倒な換算をしなくても良くなったということです。感謝しなくてはなりません。
ちなみに前述の中途半端な数字が並んでいた寸法は尺でいうと
袖丈が1尺3寸、裄が1尺8寸、前幅6寸5分、後幅8寸と随分とスッキリとした寸法になります。
明日より
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